プライドという言葉が胡散臭い

相談事例!出会い

相談者

世間では、「プライドにかけて」とか、
よく聞く言葉です。
プライドという言葉は、
なんか胡散臭くて、
あまりしっくりと聞き入れることができません。
正しいプライドの意味と使い方を教えてください

僧侶
はい、
分かりやすく説明します。

「プライド」の意味は、

プライド(pride)は英語が由来の言葉で、
日本語では主に以下のような意味で使われます。

誇り・自尊心・自負心であり、
自分や自分が属する集団に対して持つ、
肯定的、前向きな気持ちを持つことです。

たとえば、
「日本人としてのプライドを持つ」
「プロとしてのプライドがある」

自負心とは、
自分の能力や努力に自信を持ち、
それを大切に思う心のことです。

たとえば、
「職人としてのプライドをかけて仕上げた作品」

プライドの良い意味では、
「誇り」「自尊心」「自負」として使います。

つまり、
自分の軸や信念を持って生きる姿勢を表すときに使います。

プライドの悪い意味では、

「高慢」「意地」として使われます。

たとえば、
融通が利かず、
人間関係をこじらせる原因になるときに使われます。

高慢さ・意地、
否定的な意味にとらわれます。
必要以上に自分を高く見せようとしたり、
意地を張る態度。

たとえば、

「プライドが邪魔して謝れない」
「プライドが高すぎて人間関係がうまくいかない」

「プライド」の使い方のポイント

たとえば、
「彼は教師としてのプライドを持って生徒に接している」
これは、
誇りや自負心から出ている言葉です。

「日本代表として戦う以上、プライドをかけて挑みます」
これは、
誇りや名誉を感じて出ている言葉です。

「彼女はプライドが高すぎて、人に頼れない」
これは、
高慢や意地を張るところから出ている言葉です。

仏教的な視点から

仏教では、
「プライド」に似た心の表現を、
慢(まん)と呼びます。
慢には「私は優れている」という思い上がりや、
逆に、
「人より劣っている」と比べる心も含まれます。

つまり、
プライドは「誇り」と「執着」の両面」を持っていて、
誇りとして自分を支えるときは良いですが、
執着になると苦しみの原因になると教えられています。

👉まとめると、

「プライド」は、
誇りとして持つと、
自分を支える力になり、

意地や高慢になると、
人間関係や心を苦しめる毒にもなる。

両刃の剣のような言葉です。

相談者

「彼は教師としてのプライドを持って生徒に接している」
(誇り・自負心)

「彼女はプライドが高すぎて、人に頼れない」
(高慢・意地)

「日本代表として戦う以上、プライドをかけて挑みます」
→(誇り・名誉)

具体的にどういう意味なのか教えてください。

僧侶
いい質問ですね!
例文ごとに「プライド」が何を意味しているのか、
背景まで含めて具体的に解説します。

「彼は教師としてのプライドを持って生徒に接している」

ここでのプライドは 、
・誇り・使命感・自負心
を表します。

「自分は教師として生徒を導く役割がある」

ここでのプライドは、
・いい加減な気持ちで教えるのではなく、責任をもって指導する。
・教師という仕事に恥じない態度で臨む。

つまり、
教師であることを誇りに思い、
その責任感をもって真剣に生徒に接している。
という意味です。

「日本代表として戦う以上、プライドをかけて挑みます」

ここでのプライドは 、
・誇り・名誉・責任感 です。

・日本を背負って戦うという自覚。
・国民の期待を裏切らないように全力で戦う。
・勝敗よりも、日本代表として恥ずかしくない姿を見せたい。

単なる自己満足の誇りではなく、
・日本代表=国の看板を背負っている。
という大きな責任と名誉を表しています。

「彼女はプライドが高すぎて、人に頼れない」

ここでのプライドは、
意地・高慢・弱みを見せまいとする心です。

・自分は強くありたい、弱さを見せたくない。
・人に迷惑をかけてはいけない。人に頼ったら負け。などの思い込み。
必要以上に自分を守ろうとする心。
「殻」にこもり、
「防御心」を盾にしています。

結果として、
助けを求めれば楽になる場面でも、
人に頼れず苦しくなっている。
という意味です。

まとめると

・教師としてのプライドは、
自分の職業に対する誇りと責任感。

・日本代表としてのプライドは、
国や仲間の名誉を背負った責任と誇り。

・プライドが高すぎるは、
弱さを見せたくない意地・高慢。

つまり、
「プライド」という言葉は、
「誇り」や「責任感」として前向きに働くこともあれば、
意地や高慢として後ろ向きに働くこともある のです。

相談者

誇りとはどういう意味ですか
どういうときに使いますか
プライドとは良い意味では、
責任感。悪い意味では意地や高慢ということですね

僧侶
とても良い整理ですね!
では「誇り」と「プライド」の違いを丁寧に説明します。

「誇り」とは

誇り とは、
自分や自分が属する集団に対して、
「価値がある」
「大切だ」と
感じる心のことです。

具体的な意味は、

●自分に自信を持つ気持ち
自分の努力や成果に対して、
「これは胸を張れる」と思うこと。

たとえば、
「長年続けた仕事に誇りを持っている」

●所属への肯定感
家族、学校、会社、国などに対して、
「ここにいることを大切に思う」心。
たとえば、
「この会社の一員であることを誇りに思う」

●名誉心・尊厳
人としての尊厳を守りたいという気持ち。
たとえば
「人を騙すことや嘘をつくことは自分の誇りが許さない」

「誇り」を使う場面

努力や実績を認めるとき。
たとえば、
最後まで諦めなかった自分を誇りに思う。

仲間や所属に誇りを感じるとき
たとえば、
日本代表として戦えることを誇りに思う。

人としての尊厳を守るとき
たとえば、
貧しくても誇りを失わずに生きる。

つまり、
「誇り」とは、
自分や自分の行いに対して、
胸を張れる気持ちがあることです。

「プライド」と「誇り」の違いは

プライドは、
良い意味では、
責任感・自負心。

悪い意味意味では、
意地・高慢

誇りは、
基本的にはポジティブで、
「尊厳」「自負」「名誉」を大切にする心。

つまり、
「誇り」はほとんど良い意味限定で使われるのに対し、
「プライド」は良い意味では責任感、
悪い意味では意地・高慢にもなります。

✅ まとめ

プライドは、
「誇り」と同じ意味で使えるが、
「意地」や「高慢」にもなる両義的な言葉です。

誇りは、
自分や所属に胸を張れる気持ち。
肯定的に使います。

相談者

誇りとは、過去の実績に対して胸を張れることですか?
過去の実績を自慢しているように聞こえるんですが、
間違っていますか?
過去よりも今の行動のほうが大切だと思うのですが?

僧侶
とても本質的な問いですね。順番に整理して答えますね。

① 「誇り」とは過去の実績に対して胸を張ることか?

これは、
部分的には正解 です。

「誇り」はたしかに、
自分の過去の努力や実績を通して得られることが多いです。

「あの困難を乗り越えた自分を誇りに思う」

「長年やり抜いた仕事に誇りがある」

ただし、
誇りは、
過去だけではありません。

誇りは、
「過去の実績」だけでなく、
今の姿勢や未来への生き方にも宿る言葉です。

②「誇り」と「自慢」の違いは、

ここがとても大事です。

誇りは、
自分の心の中で、
「やってよかった」
「胸を張れる」と感じることです。

自慢は、
他人に認めさせようとして、
「すごいでしょ?」と誇示することです。

だから、
誇りを持つは、
自慢することではありません。

むしろ、
誇りは、
「心の中での静かな支え」であり、
他人にひけらかさないものです。

② 「過去より今の行動のほうが大切では?」

おっしゃる通り、
今の行動の方が大切です。
仏教的に言えば、
過去の栄光に執着してしまうと
「慢(まん)=高慢さ」に変わり、
苦しみを生みます。

例えば、
「昔はすごかった」と言って、
今を怠ければ、
これまでの誇りは腐りきってしまいます。

「過去の努力があるから、今も正しく生きよう」と、
行動につなげれば、
心の中の誇りが磨かれます。

つまり、
「誇り」は 過去の実績から芽生えるけれど、
それを今の行動につなげてこそ生きるということです。

まとめ

誇りは、

「過去の実績」によって生まれることもあるが、
それ自体が目的ではありません。

誇りと自慢は違う。
誇りは内面的、
自慢は外に誇示すること。

過去の誇りを、
今の生き方に活かすことが、
本人とってはとても大切な生き方になっています。

過去からの小さな実績を積み重ねてきた、
己への自信のことであり、
胸を張れる気持ちのこと。
今の自分を支えてくれるものでもある。

プライドとは、

責任感、自負心。
今までの経験値から自信が芽生え、
責任を果たす姿勢のことです。
周りを見下し、
自分を強く見せたり、
他者を侮辱し、
自慢することではない。

つまり、
プライドも誇りも
自分軸であり、
自分の行動指針になるものである。

相談者

プライドや誇りや信念は、どうやってその感情が生まれてくるのですか?

① プライド(Pride)が生まれる仕組み

プライド、良い意味(責任感・自負心)では、
自分の役割や立場を意識し、
「それを果たしたい」
「裏切れない」という思いから生まれる。
たとえば、
教師が「生徒を守り導くのは自分のプライドだ」と感じるとき。

プライド、悪い意味(高慢・意地)では、
他人と比べて「自分は上だ」「負けたくない」という心から生まれる。
たとえば、
謝れば楽になるのに「プライドが許さない」と意地を張るとき。

👉 プライドは、人との比較や社会的な立場意識から生まれやすい感情です。

② 誇りが生まれる仕組み

自分の努力や行動が「価値あるものだ」と感じられたときに生まれる。
たとえば、
長年続けた仕事、
困難を乗り越えた体験、
人を助けた経験など。

所属や役割を大切に思う気持ちから生まれる。
たとえば、
「日本代表として戦えることを誇りに思う」

👉 誇りは、

過去の実績や経験、
所属の価値を自分の心が認めたときに生まれる感情です。
ただし、
他人に誇示すると「自慢」になってしまいます。

信念が生まれる仕組み
自分の価値観や世界観を深く考え、
「これが正しい」と確信したときに芽生える。

経験、学び、失敗や挫折、感動などを通じて、
「これこそ自分の生き方だ」と腹の底から決まる。
たとえば、
「困っている人を助けるのが自分の信念だ」

👉 信念は、

比較や成果ではなく、
自分の内面から湧き上がる価値観や生き方の軸です。

仏教的な見方

仏教では、
これらの感情はすべて「縁起」
つまり、
原因と条件が重なって生まれる心の働きとされます。

プライドは、
他人との比較・立場意識という「縁」から生まれる。

誇りは、
過去の経験や努力が「縁」となって生まれる。

信念は、
学びや気づき、
人生経験が積み重なり、
心に「軸」として生まれる。

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