「盗賊にも色々な種類があるわ。 中には国を盗む者もいれば、他人の妻を盗む者もいる。 その中で最低な奴は、他人の功績を盗む奴よ。」 ── 銀河英雄伝説・ミリアム・ローザス

言葉のご縁

🧘‍♂️名言

「盗賊にも色々な種類があるわ。
中には国を盗む者もいれば、他人の妻を盗む者もいる。
その中で最低な奴は、他人の功績を盗む奴よ。」

── 銀河英雄伝説・ミリアム・ローザス


🔍仏教的視点からの解説

仏教では、すべての行動には**「因果(いんが)」=原因と結果**が伴うと教えます。
特に、「盗む(不与取=ふよしゅ)」という行為は、五戒(仏教徒が守るべき5つの戒律)のうちの一つとして重く扱われます。

🔸功績を盗む=「偽りの自己を飾る」慢の業

他人の成果を横取りすることは、
単に「物を盗む」よりも根深く、**「他人の努力を無かったことにする業」**です。
それは、仏教でいう「慢(まん)=自分を偽って他人より優れていると見せる心」の極み。

仏教では、このような虚栄は、
いずれ必ず「信用の失墜」や「孤独」という苦果となって返ってくると説きます。


🌱仏教からのアドバイス:誠実こそが長く残る力

✅ 真実の徳は、奪えない

仏教では、「他人のものを奪っても、心の中は決して満たされない」と教えます。
たとえ一時的に評価や地位を盗めても、
その人の内側に徳がなければ、やがて崩れていくのです。

逆に、正直に積んだ努力や功績は、たとえ奪われても「徳」として残る
それは未来の「縁」となって、自分を助けてくれる。

✅ 「盗む」より「称える」ことを選ぶ

仏教的に最も美しい生き方のひとつが、「随喜(ずいき)」──
他人の善行や成功を、心から喜ぶ態度です。
人の功績を奪うのではなく、心から称える者こそが、功徳を積み、信頼される人になるのです。

🔚まとめのひと言

物を盗んだ者は罰せられるが、
他人の功績を盗んだ者は、心を腐らせる。

仏教が本当に恐れるのは、**行為の見た目ではなく、その「動機」**です。
努力せずして賞賛を求める心、他人を踏み台にする心は、
やがて自らの信頼・人徳・未来を奪い尽くします。

だから、誰かの功績を「奪う」のではなく、「称える」生き方を。
それが、徳を積み、真に美しい仏の道です。

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