ことわざ 「蓼（たで）食う虫も好き好き」 は、
「人の好みはそれぞれ。たとえ自分には理解できなくても、他人には価値がある」
という意味で使われます。
この言葉は、仏教の「平等観（びょうどうかん）」「縁起（えんぎ）」「無分別智（むふんべつち）」といった教えと非常に深く通じています。
🧘♂️仏教的視点からの解説
🌿「人の好みはそれぞれ」＝平等観と無分別智（むふんべつち）
仏教では、**「あれが正しい・これが正しくない」と決めつける心＝分別（ふんべつ）**を超える「無分別智（むふんべつち）」を目指します。
つまり、「自分には理解できない」からといって、それを否定しない心。
「蓼食う虫も好き好き」はまさにその智慧を日常語で表した言葉です。
🌿「それぞれに“縁”がある」＝縁起（えんぎ）の理解
仏教では、「すべての現象は縁によって起こる」と教えます。
誰が何を好むかも、その人の生きてきた背景・経験・心の流れ（＝縁）によるもの。
違いを否定するのではなく、「そういう縁があったのだな」と理解を深める心が仏道的です。
🌿「違いを認め合う」＝慈悲の実践
仏教の慈悲とは、「苦を和らげ、幸せを願う心」ですが、
その前提にあるのは、**「自分とは異なる存在を尊重する姿勢」**です。
「蓼を食う虫もいるんだな」と、認められることは、慈しみと柔らかい智慧の証です。
💡 仏教的アドバイス
他人の好みや価値観を“理解できない”と思っても、“否定しない心”を育てよう。
自分と違う他者を見たときこそ、仏教の「平等の目」が試される。
好みや感性は「縁」によるもの。それぞれの縁を尊重しよう。
🧘♀️ 締めの言葉
人の好みは、計りきれない縁の中で育まれたもの。
仏教はこう教えます――「違いを否定せず、理解と慈しみを持って接しよう」
それが、苦を減らし、心を自由にする智慧です。
