だれにだってあるんだよ
ひとにはいえないくるしみが
だれにだってあるんだよ
ひとにはいえないかなしみが
ただだまっているだけなんだよ
いえば
ぐちになるからあいだみつお
静かに人の心の深さを見つめるような詩であり、仏教の**「共苦(ぐく)」「無言の慈悲」「沈黙の智慧」**と深く通じるものがあります。
🧘♂️仏教的視点での解説
🌿「だれにだってあるんだよ ひとにはいえないくるしみが」
これは仏教の基本、「一切皆苦(いっさいかいく)」という教えそのものです。
人はみな、言葉にできない苦しみや悲しみを抱えながら生きている。
その事実に目を向け、思いやることが「共苦(ぐく)=苦しみをともに感じる心」です。
「みんな苦しい」と知ることは、優しさの始まりです。
🌿「ただだまっているだけなんだよ いえば ぐちになるから」
仏教では、沈黙のなかにある智慧を重んじます。
“語らない”というのは、弱さではなく、耐える力・見守る力。
また「正語(しょうご)」という教えもあります。
それは「怒りや愚痴で人を傷つけない言葉を使う」修行。
苦しみを静かに抱える人は、その苦を誰かにぶつけないようにと、心の中で修行しているのかもしれません。
💡 仏教的アドバイス
人は皆、それぞれに「語れぬ苦」を持っている。それを忘れない人になろう。
沈黙の中にも慈悲がある。「言わない」ことは時に「深い思いやり」。
愚痴にならないように心を整える。それが“心の修行”です。
🧘♀️ 締めの言葉
語れぬ苦しみを抱えている人に、沈黙で寄り添える人になろう。
それが仏のような、やさしさと強さの姿です。