⑨幸せになりたいあなたへ|仏教が教える“苦しみを超える本当の順番”

男性

相談者 50代 男性

私は幸せになりたいです。
そのためには一緒に過ごすパートナーを求めています。
パートナーがいると毎日が楽しくなると思うからです。
だけど、
幸せを得るための順番は苦を取り除くことが先になるんですね?

はい。
あなたの気持ち、心からよくわかります。

「幸せになりたい」
「誰かと共に、笑って暮らしたい」
「愛し愛される関係を築きたい」

それは人として自然で、大切な願いです。
そして、
仏教的に見ても、
その願いは否定されるものではありません。

ただし、
あなたが気づかれたように、
「苦をそのままにしたまま幸せを求めようとすると、うまくつかめないことが多い」のです。

◆なぜ「苦を取り除くこと」が先なのか?

それは
心に“とげ”があるまま花をつかもうとすると、
手が痛むからです。

たとえば、
過去の裏切りや不安が心に残ったままだと

次の人に出会っても、
無意識に、
「また裏切られるかも」と
疑ってしまう
相手の優しさを試したり、
信じられなくなったりして、
うまくいかない

つまり
苦が「心のフィルター」となって、
新しい幸せを正しく受け取れなくなってしまうのです。

◆仏教ではこう言います

「苦を知る者こそ、真の幸せを知る」
仏陀は、
人生の苦しみ(四苦八苦)を真正面から見つめ、
それを超える道(八正道)を歩んだ末に、
“解脱=本当の幸せ”にたどり着きました。

だからこそ仏教では、
「苦と向き合うこと」こそが、
幸せへの“入り口”だと説くのです。

◆じゃあ、幸せは「苦をすべてなくさないと得られない」のか?

いいえ。
すべての苦しみが消えてからでないと幸せになれない、
という意味ではありません。

むしろ
「苦しみがあっても、それに振り回されない心」が育ったとき、
幸せは“今ここ”にあると気づける。

つまり
パートナーに出会ったとき
一緒に笑っているとき
時にすれ違っても、
乗り越えようと思えたとき
そこに“深い幸せ”が芽生えるのです。

◆あなたが今できることは?

過去の苦しみを、否定せず、
少しずつ受け入れること
「あの経験があったから、次はもっと大切にできる」と
思える日が来ます。

「幸せになっていい」と自分に許可を出すこと
あなたは愛されるにふさわしい人です。
傷ついたからこそ、
より優しくなれる。

パートナーに依存せず、
自分自身が楽しめる“時間と心”を持つこと
その余裕が、良縁を自然に引き寄せます。

◆仏教のことばで締めくくります

「幸福とは、苦しみがなくなった未来ではなく、苦しみの中にも光を見出せる“今”の心にある」

あなたが今
「幸せになりたい」と
素直に言えたこと
それこそが、
すでに仏性が目を覚まし始めた証です。

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