🧘♂️名言
「この世で最も醜悪で卑劣なことはな、実力も才能もないくせに相続によって政治権力を手にすることだ。
それに比べれば、簒奪は一万倍もマシな行為だ。
少なくとも、権力を手に入れる努力はしているし、本来、それが自分のものでないことも知っているのだからな。」
── 銀河英雄伝説・ラインハルト
🔍仏教的視点からの解説
この言葉は、**「形だけの地位」に固執する心=慢心と無明(むみょう)**への痛烈な批判です。
仏教では、生まれ・地位・血筋などに執着することを愚かさと捉えます。なぜなら、そうしたものは「縁によって一時的に与えられた幻想」にすぎないからです。
🔸仏教と「継承」と「努力」
仏教は、血筋ではなく行い(業=ごう)によって人は評価されるべきと教えます。
つまり「実力もなく、ただ継いだ」ということは、
中身のない器に権威を流し込むようなものであり、やがて破綻するのは必然です。
一方で、たとえ強奪(簒奪)という手段が荒々しくても、
それが努力と自己認識の上に立っているならば、自覚のある業として、まだ救いがある──
これが仏教的にも理解できる側面です。
🌱仏教的アドバイス:力と責任の使い方
仏教は、「力そのものが悪い」とは言いません。
むしろ、力を持ったときに、その使い道が問われるのです。
✅ 本当の価値は「継承」ではなく「徳行」
-
何を得たかではなく、どう使うか
-
地位や権力を「自分のもの」と思わず、皆のために使えるか
-
権威に溺れることなく、常に「我が身を省みる」ことが大切
💡今を生きる私たちにとって
この名言は、職場・家庭・社会の中で「ただ役職や肩書きがあるから偉い」と錯覚してしまう人への、深い問いかけでもあります。
「本当にその場所にふさわしい自分か?」
と常に問う姿勢が、仏教で言う**「正見(しょうけん)」=真理を正しく見る心**です。